プロトコル6(シックス)。ワイヤードの進化の過程で重大なファクターとなるキーワード。ネットワークの加速度的な進化に合わせて,それに似合った取り決めが必要となる。たとえ,進化の促進が「自滅」へとつながるのであったとしても,もう,引き戻すことはできない。
4年間にわたるテスト期間を経て, インターネット・アサインド・ナンバーズ・オーソリティは,次世代インターネットプロトコルIPv6の発行を開始した。現行のアドレスシステムであるIPv4は32ビットで12桁のアドレスであり,固有のアドレスは全部で約40億しか発行できないが,128ビットのIPv6なら,10億の2乗個のアドレスをネットに提供できる。
次のインターネットプロトコルである,プロトコル6に関する話題が多くなってきている。7月2日には世界のネットワーク機器メーカー,テレコム企業,研究組織が集まって,IPv6フォーラムが結成された(詳細記事,ZDNew News,日経コミュニケーション)。通信事業者,機器ベンダーの主なものはすべて参加しており,普及の後押しがはかられるだろう。特に携帯電話や携帯型のネットワーク端末を持っているものたちは必死で,すべての携帯電話にIPアドレスが必要になると,プロトコル6の普及は命綱となる。
もちろんプロトコル6はアドレス管理だけにとどまらず,いままでの通信において不都合が起きた部分の修正も含まれる。まぁユーザー単位ではあまり関係ないだろうが。しかし,プロトコル6が本当に普及したとき,ネットワークは人間の脳の伝達回路を上回る。果たして地球という入れ物がそれを制御できるのかどうかは,誰もわからない。
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